フルートレッスン戦争記 第二幕 - 遊びで終わらせないための実践技術

なぜ私たちは、なかなかフルートの演奏技術が上達しないのか。うまくいかないのは練習方法にあるのか、それともレッスンにあるのか。その謎を解き明かしていきます。

奏法

続・スタッカートの演奏解釈について

今日は練習時間を取れませんでした。

ちなみに革新派の著名某先生は「スタカートは音符と音符の間に息を吸う(瞬間ブレスする)事」とおっしゃってます(ある意味目から鱗かも(笑))

フルートレッスン戦争記:スタッカートの発音 (コメントより)

スタッカートのエントリーに頂いたコメントで、音符の間にブレスを取るという内容から、ふと以前同じことをしたことを思い出しました。
ブログにも書いていた気がして、検索してみたのですが、全くヒットしません・・・。

ヴィヴァルディの「冬」第 1 楽章を勝手に練習しているときに、スタッカートの連続があり、息が続かないこともあって、音符の合間に無意識に息を吸っていました。
息を吸っているといっても、本当に微量の空気にすぎません。しかし、その程度の量でも十分持続できたことを覚えています。

それにしても、本当にブログには載せていないようです。
自分のブログを色々検索していると、、、
こんなものが出てきました。

スラーとスタッカートは、当時の演奏解釈では、クレ、ルレ、エガルによる奏法を指示していたというもので、それぞれ次のような特徴があります。
(バロック時代の演奏習慣という意味でしょう)

  • クレ(coulé)は、記譜上スラーで結ばれたフレーズについて、第1音を記譜よりも短い音価で演奏する
  • ルレ(louré)は、記譜上スラーで結ばないフレーズについて、第1音を記譜よりも長い音価で演奏する
  • エガル(égal)は、フレーズを構成する音符にスタッカートの記号が書かれているもので、音を切って演奏するのではなく、すべて同じ音価で「均等に」演奏する

フルートレッスン戦争記:記譜法と演奏解釈

自分でも過去に多少は認識していたようです・・・。
これは、Sonore さんのコメントにあるこの内容とほぼ同じですね。

並んだ音と音の間をセパレートするようにという指示です。

また、バロック時代には並んだ複数の音につけられて、イネガルでなく均等に演奏することを求める指示。これってジャズの記譜法でも同じなんです。

フルートレッスン戦争記:スタッカートの発音 (コメントより)

しかし、コメントを頂いた時点では、過去にこんなことを書いていたことすら忘れ去っていました・・・。

「イネガルって何だろう」と思っていましたが、「エガル」のことはちゃんと書いてました。

ともあれ、過去のエントリーを読み返すとそれなりに発見もあるようです。


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スタッカートの発音

スタッカートについて。


週末のレッスンで、アルテスを見てもらったとき、11 課にスタッカートとスラーでそれぞれ練習するようにというくだりがあり、指示文の通りスタッカートとスラーで練習する様子を見てもらいました。

フルートのスタッカートは、タンギングと並べて解説されることが多く、スタッカーとは一音ずつ息を切って発音するという表現がしばしば用いられます。


小学校のリコーダーでも確かにスタッカートは出てきました。
あまり覚えていませんが、強く息を射出することで出すものだと漠然と考えていました。

ところが、この日のレッスンでスタッカートの奏法が間違っていることが分かりました。

単純に息を切って強く音を出しているため、発音直後の音が最も大きく、その後は音が霧散してしまうような感じでした。
しかし先生の模範演奏では、スタッカートは音価いっぱいに音が持続します。音価いっぱいと言っても、短い音符なので時間的にはごくわずかな時間ではあります。

音符 1 つずつが時間いっぱい生きている感じです。
図示できればよいのですが、用意できそうにありません。

言葉で表現するとすれば、息を切って発音した音を、終了までその息でコントロールしているような印象でした。

スタッカートで発音した音の粒が常に揃っており、一個一個が正確な形をした玉のような感じ。

私の発音は、息を切って発音した時点で終わりなので、そのあとどう音が消えるかなど意識していません。

完全に間違っていたようです。

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複数の楽器を練習すること

面白い記事を見つけたので。記事の主旨とは違うところで思うことがありました。

Grit をもっている人にありがちなもう一つの特徴は、「一つのことに集中する」という特質だということが記事では挙げられています。

たとえばピアノを学んでいる子供がいたとして、音楽的才能が同じくらいとした場合に、ピアノだけに集中し、ピアノの演奏に必要な経験と失敗の蓄積だけをためている子供と、チェロやサックスにも手を出している子供では、当然前者の子供の方が成長が速くなります。

頭のよさがすべてではない。成功者がもっている特質「Grit」とは何か? | Lifehacking.jp

私も以前、フルートを続けながら、別の楽器(たとえばピアノとか、チェロとか)に手を出してみたいと考えたことがあります。

中でもピアノは、器楽奏者の場合、弾けたほうがよいというより、ある程度弾ける必要があると聞きます。少なくとも鍵盤が読めるかどうかでレッスンの進みはかなり違う気がします。(私はまったく弾けません)

誘惑には駆られたものの、本命のフルートの演奏もままならない状態で他の楽器に手を出すのは難しく、踏みとどまりました。

プログラミングの世界では、複数の言語が使える人はたくさんいます。むしろ1つの言語しか使えない人の方が少ないくらいです。

しかし、その複数の言語を、それぞれのパフォーマンスを最大に出せるほどに使いこなせる人がどれくらいいるのかは大いに疑問です。

私は Java を自分のメインストリームの言語に据えています。他の言語でも仕事をしていますが、 Java と同程度のパフォーマンスが出せるほどの自信はありません。

その言語には、その言語を極めたプロがいるのです。

これと同じことが、楽器にも言えるのではないかと思っています。

音楽を演奏するための道具に過ぎないフルートにも、長い歴史の中で構築された奏法があり、それはそう簡単に習得できるものではないはずです。大人になってから楽器の練習を始めた人は、ただでさえ練習時間がないのです。他の楽器の練習に時間を割くことは本当に有効でしょうか。

他の楽器を並行して練習することは、初期のフルートの上達に間接的に貢献することがあるかもしれませんが、目標とする到達点への近道には到底なりえないのではないかと思っています。

というわけで、複数の楽器を同時に練習するのは、最近では娯楽にしか見えないのです。

他の楽器に興味を示しているヒマがあったら、フルートの奏法を考えることに時間を費やした方がよいのではないでしょうか。


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