フルートレッスン戦争記 第二幕 - 遊びで終わらせないための実践技術

なぜ私たちは、なかなかフルートの演奏技術が上達しないのか。うまくいかないのは練習方法にあるのか、それともレッスンにあるのか。その謎を解き明かしていきます。

フルート協奏曲

暗譜で演奏できるようにする曲 第1弾

年初に考えていた目標の一つである、暗譜で演奏できる曲を作ること。
その暗譜で演奏できるようにする曲で、最初の 1 曲はヴィヴァルディの RV 428 にしようかと考えています。

有名なフルート協奏曲「ごしきひわ」の第 2 楽章です。
このくらいのメロディなら十分何とかなりそうです。


機会があって少しだけ練習したことがありますが、結局そのままになってしまっています。


個人練習のタイミングで毎回録音して様子を確認するのにもよさそうです。

音数は少ないのですが、案外こういう曲の方がちゃんと演奏するには難しいんでしょうね。


最近話題の中音域がふんだんに入っています。
低音域はないけど・・・。

この一曲がちゃんとモノになったら、もう少し長めの曲にも挑戦してみることにしましょう。


明日はレッスンとアンサンブルの練習日です。
時間だけはどんどん過ぎていきますね。一日一日を噛み締めないと、すぐに寒さも終わってしまいそうです。

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主題のないフルート協奏曲

最近はヴィヴァルディのフルート協奏曲はあまり聴いていませんでした。


どれももうかなり聴き込んでしまっているので、あまり発見も感動もなくなってしまい、しばらく遠ざかっていました。

例外的に RV533 だけは聴いていますが、それ以外は自ら選んで聴くことはあまりありませんでした。

ヴィヴァルディのフルート協奏曲と言えば、「ごしきひわ」や「夜」、「海の嵐」など、主題のついている曲が有名ですね。

私もこれらを好んで聴いていました。

フルート協奏曲集作品 10 にある曲のうち、主題がつけられているのはこの 3 曲だけです。
収録 CD にもよりますが、実際にこの 3 曲をメインにして、他の 3 曲は後ろに収録しているものが多いようです。

数年前に聴いたグラーフの CD はユニークで、主題のあるものとないものを交互に織り交ぜて 1 枚に収録されていました。

当時聴いていた時は、主題のないものは何とも退屈で、時々飛ばして聴いたりしていました。

しかし、ごく最近新たに聴き出して、その面白さに気づきつつあります。

作品 10 は、出版されたフルート協奏曲集としては世界初のものです。
しかし、収録曲のうちのいくつかは、リコーダー協奏曲の手直し版で、主題のある 3 曲もやはりリコーダー協奏曲からの焼き直しです。


実は、フルート用に新たに作曲されたものは、この主題のないものの中にあります。

昔は分からなかった良さがおぼろげにでも分かるようになってきたのは、それだけ成長しているのかも。

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フランツ・ベンダのフルート協奏曲 ホ短調

ここ最近ずっと聴き込んでいる曲です。



NAXOS で「フルート協奏曲」で検索して、ランダムに拾ったときにたまたま見つけた曲です。
最初に聴いたときに一発で聴き惚れました。この第 1 楽章はたまりません。

この疾走感のある曲は、C.P.E. バッハのフルート協奏曲とも近いものを感じます。

この曲を見つけるまで、ベンダという作曲家は全く知りませんでしたが、どうやら C.P.E. バッハやクヴァンツと同年代の人のようです。


NAXOS でも何人かのソリストの演奏を聴けますが、カデンツァが入っているようで、どの例も全く違う演奏を聴くことができます。


聴かせどころはやはり冒頭と後半に出てくる、5 小節に渡る長い一音です。

こんな曲をいつか演奏できるようになりたいものです。

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昨年発見されたヴィヴァルディのフルート協奏曲

NAXOS で最近見つけた見慣れないタイトルのフルート協奏曲を見つけ、何だろうとは思っていました。
ヴィヴァルディのフルート協奏曲はすべて聴き尽くしているので、知らない作品が出てくるということは考えられません。

ヴィヴァルディ:フルート協奏曲 ニ短調「偉大なるムガール人」RV 431a

NAXOS は、本来「室内協奏曲」であるべきものが「フルート協奏曲」になっていたりするので、あまり気にしていませんでした。


ところが、こんな記事が。

BBC News - Lost Vivaldi flute concerto performed in Perth

実はこの件を、今日知りました。
失われていたヴィヴァルディの楽譜が 250 年以上経ってから新たに発見されたというものです。

すごいですね、2010 年に新たに見つかった楽曲が、なんとフルート協奏曲なのです。


ちなみに、フルート協奏曲ホ短調 RV 432 も美曲なのですが、なぜか第 1 楽章の録音しか見つかりません。
第 2 楽章以降は見つかっていないのかもしれません。


こちらは RV 431a の第 2 楽章。画面に表示されている楽譜とは一致しません。無伴奏。
もはや無伴奏曲としても通用しそうな美しさです。



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ヴィヴァルディのフルート二重奏曲

先日、フルートアンサンブルに対する個人的違和感というエントリーを書きました。

ここで二重奏曲の話を書いたので、今回はヴィヴァルディのフルート 2 本での曲を紹介したいと思います。

2 つのフルートのための協奏曲ハ長調 RV 533

厳密にはフルート二重奏の曲ではなく、弦楽オーケストラと合奏するフルート協奏曲です。


ヴィヴァルディは、実はフルートの協奏曲を結構な数書いています。
リコーダーの協奏曲は音域的にフルートで全く問題なく演奏できますから、リコーダーの協奏曲を合わせるとさらに数があります。




第 1 楽章から第 3 楽章まで、ずっと聴き応えがありますが、第 1 楽章が一番好みです。

2 つのフルートの掛け合いがたまりません。


この曲はちょうど 1 年前にしばらく聴いていた曲なのですが、今改めて聞き直してみるとたまらない曲なのです。
フルートソロ曲以外は全く興味がなかったのですが、改めて聞き直してみるのもよいものですね。

この曲は将来自分でも演奏したいと思っています。


私が聴いているのは、Musica ad Rhenum の盤で、この CD には前に紹介した室内協奏曲 RV.107 も収録されています。
(YouTube の音源は、どうもこの CD と同じようです)

Concerto Alla RusticaConcerto Alla Rustica
アーティスト:Vivaldi
販売元:Challenge Classics
発売日:2003-06-03
クチコミを見る


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ヴィヴァルディのもう一つのフルート協奏曲

去年の夏頃にエントリーを書いた、ヴィヴァルディの室内協奏曲 (RV107) は、どうやら演奏者によっては「フルート協奏曲」として録音している場合もあるようです。

なるほど、なかなか見つからないはずです。
フルート、オーボエ、ヴァイオリン、ファゴットでの演奏例が多いようです。


なんとなく調べていると、IMSLP に何と自筆譜(?)の写しが出ていました。

Concerto for Violin, Flute, Oboe, Bassoon and Continuo in G minor, RV 107

この楽譜を見る限りでは、楽器の指定がされているようです。

フルート協奏曲として考えると、今後取り組む曲として考えることに躊躇する必要はなくなりますね。

妻がヴァイオリンをやっているので、これは将来一緒にやってみたいものです。

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クラシカ・ジャパンで C.P.E. バッハのフルート協奏曲

クラシカ・ジャパンで、C.P.E. バッハのフルート協奏曲の録音が放送されるようです。

番組表を見ると、アドリヤンの演奏となっているので、もしかすると以前紹介した YouTube の動画と同じものかもしれませんね。

とにかく、23 日は楽しみです。

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C.P.E. バッハのフルート協奏曲

先月中旬から、ずっと聴いているのがこれ。


C.P.E. バッハのフルート協奏曲です。
特に2枚目最後のニ短調第3楽章はたまりません。

5人くらいの録音を聞き比べてみて、今のところ、ガロワのこの録音が一番興奮します。


フルート協奏曲なのに、フルートが強烈に目立つわけではなく、むしろ弦楽合奏の部分がかっこよすぎます。

楽譜を見ていないので、聴いた録音だけで判断すると、この協奏曲はSoloとTuttiが完全に分かれてしまっています。弦楽とソロフルートが交互に演奏しているような感じです。


YouTubeにもありました。
こちらはアドリヤンの演奏になっています。



この演奏では、曲の最後はちゃんとフルートも演奏に加わっているようですが、CDで聴く限りではフルートは先に演奏が終わってしまい、最後は弦楽合奏だけです。

このスピードでしっかりと吹けたら気持ちよさそうです。


C.P.E. バッハ:フルート協奏曲全集
C.P.E. バッハ:フルート協奏曲全集
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レッスン #68 (発表会のおさらい)

土曜日はレッスンでした。

先日の発表会のおさらいから入ります。本番の録音を聴き、よかったところと、間違えたところを再確認します。
やはり何度聴いても転んだ箇所は多く、途切れこそしなかったものの、出来がよいとは言えません。

前日の最終調整まで何度となく失敗した第6楽章の終結部は、多少軽く躓きながらも比較的安定して演奏することができ、ここはよかったと言ってもらえました。 フルート歴1年だと、まあこれくらいが限界でしょうということでした。
今回の発表会でやっていない第2楽章や第3楽章なども時々練習していますが、将来全楽章を通して確実に演奏できるようにしておきたいものです。

アルテスはようやく3課が終わりました。
第3オクターブのドが正確で出ず、発生時の息のスピードと、やや下向きに吹き込んでみるように指示されました。

次に何をしようかという話になりました。
私は今回のフルート協奏曲で、演奏リテラシー(つまり奏法の基礎)が整わない状態で本番向けの曲練習をするという行為に問題とリスクがあることをよく認識できました。 このため、次の発表会には出ないことにして、奏法を向上させたいと伝えました。

やりたい曲はいくつもあるけれども、「発表会」を織り交ぜると余計な力が働くので、よく考えないといけないようです。
私は演奏する曲が要求する奏法を、逆順で覚えていくような勉強方法の方が好きなのですが、この勉強方法が有効にするだけの土台も必要だと感じます。

レッスンはアルテスを主軸とした基礎だけを延々とやるのもよいけれども、曲の練習も入れたほうがよいのではないかと先生に言われました。一旦保留・・・。

このときはすぐに気付きませんでしたが、前回の「タイスの瞑想曲」が終わった直後にしばらくトーンダウンしたため、心配されてのアドバイスなのかもしれません。


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記譜法と演奏解釈

先週放送されていた放送大学「西洋音楽の諸問題」の録画を先日視聴しました。

テーマは「記譜法の問題」です。主にバッハの作品を用いて、当時の演奏習慣と記譜法に存在する違いを検証するというものです。
作曲家は、当時の器楽演奏習慣を踏まえた上で記譜しているということ。

内容として面白かったのは、「同じ音符が同じ音価であるとは限らない」、「音符の音価は、脈絡次第で変わりうる」という点です。

スラーとスタッカートは、当時の演奏解釈では、クレ、ルレ、エガルによる奏法を指示していたというもので、それぞれ次のような特徴があります。
(バロック時代の演奏習慣という意味でしょう)

  • クレ(coulé)は、記譜上スラーで結ばれたフレーズについて、第1音を記譜よりも短い音価で演奏する
  • ルレ(louré)は、記譜上スラーで結ばないフレーズについて、第1音を記譜よりも長い音価で演奏する
  • エガル(égal)は、フレーズを構成する音符にスタッカートの記号が書かれているもので、音を切って演奏するのではなく、すべて同じ音価で「均等に」演奏する

有田氏のフルート協奏曲「夜」では、確かにルレで演奏しているのではないかと思われる箇所がいくつか出ていました。
第1音が異常に長く、まさに気になっているところでした。

この番組は「'05」とあるくらいなので、何度も再放送している番組のようですね。
非常に面白い内容でした。

(このエントリーは、将来訂正するかもしれません。)


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