フルートレッスン戦争記 第二幕 - 遊びで終わらせないための実践技術

なぜ私たちは、なかなかフルートの演奏技術が上達しないのか。うまくいかないのは練習方法にあるのか、それともレッスンにあるのか。その謎を解き明かしていきます。

ヴィヴァルディ探求

主題のないフルート協奏曲

最近はヴィヴァルディのフルート協奏曲はあまり聴いていませんでした。


どれももうかなり聴き込んでしまっているので、あまり発見も感動もなくなってしまい、しばらく遠ざかっていました。

例外的に RV533 だけは聴いていますが、それ以外は自ら選んで聴くことはあまりありませんでした。

ヴィヴァルディのフルート協奏曲と言えば、「ごしきひわ」や「夜」、「海の嵐」など、主題のついている曲が有名ですね。

私もこれらを好んで聴いていました。

フルート協奏曲集作品 10 にある曲のうち、主題がつけられているのはこの 3 曲だけです。
収録 CD にもよりますが、実際にこの 3 曲をメインにして、他の 3 曲は後ろに収録しているものが多いようです。

数年前に聴いたグラーフの CD はユニークで、主題のあるものとないものを交互に織り交ぜて 1 枚に収録されていました。

当時聴いていた時は、主題のないものは何とも退屈で、時々飛ばして聴いたりしていました。

しかし、ごく最近新たに聴き出して、その面白さに気づきつつあります。

作品 10 は、出版されたフルート協奏曲集としては世界初のものです。
しかし、収録曲のうちのいくつかは、リコーダー協奏曲の手直し版で、主題のある 3 曲もやはりリコーダー協奏曲からの焼き直しです。


実は、フルート用に新たに作曲されたものは、この主題のないものの中にあります。

昔は分からなかった良さがおぼろげにでも分かるようになってきたのは、それだけ成長しているのかも。

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昨年発見されたヴィヴァルディのフルート協奏曲

NAXOS で最近見つけた見慣れないタイトルのフルート協奏曲を見つけ、何だろうとは思っていました。
ヴィヴァルディのフルート協奏曲はすべて聴き尽くしているので、知らない作品が出てくるということは考えられません。

ヴィヴァルディ:フルート協奏曲 ニ短調「偉大なるムガール人」RV 431a

NAXOS は、本来「室内協奏曲」であるべきものが「フルート協奏曲」になっていたりするので、あまり気にしていませんでした。


ところが、こんな記事が。

BBC News - Lost Vivaldi flute concerto performed in Perth

実はこの件を、今日知りました。
失われていたヴィヴァルディの楽譜が 250 年以上経ってから新たに発見されたというものです。

すごいですね、2010 年に新たに見つかった楽曲が、なんとフルート協奏曲なのです。


ちなみに、フルート協奏曲ホ短調 RV 432 も美曲なのですが、なぜか第 1 楽章の録音しか見つかりません。
第 2 楽章以降は見つかっていないのかもしれません。


こちらは RV 431a の第 2 楽章。画面に表示されている楽譜とは一致しません。無伴奏。
もはや無伴奏曲としても通用しそうな美しさです。



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RV58 を聴き込む

RV58 を聴きまくっています。


工藤重典、ランパルなど何人かの CD を聴きました。最初に聴いたのは工藤さんの録音でした。気に入ってしばらく聴き込んでいたのですが、今はベーラ・ドラホシュという人の演奏が気に入っています。


昔はこの「緩徐楽章」というのが嫌いだったのですが、この曲はこれがないとやや違和感があります。
というのも、メインテーマである第 4 楽章に第 2 楽章が伏線で入っていて、この伏線の楽章からすぐに第 4 楽章に飛ぶと、テーマの重なりがあからさまな感じになるのです。

第 3 楽章が緩衝剤として入ることにより、一度伏線で出ているテーマの記憶がやや薄くなります。
この後で第 4 楽章がくることでぐっと引き立ちます。

しかし、あくまで発表会なので、2、3、4 楽章を続けてやるのは難しそうです。(時間的にも体力的にも、そして技術的にも)


CD の演奏時間は全部合わせて 5 分半くらいのようですが、CD と同じ速度で演奏できるかどうかは極めて怪しいので、今のところ第 2 楽章と第 4 楽章に飛ぶのが無難なようです。

そろそろ楽譜をちゃんと揃えて練習計画を立てておかないと・・・。

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ヴィヴァルディのフルート二重奏曲

先日、フルートアンサンブルに対する個人的違和感というエントリーを書きました。

ここで二重奏曲の話を書いたので、今回はヴィヴァルディのフルート 2 本での曲を紹介したいと思います。

2 つのフルートのための協奏曲ハ長調 RV 533

厳密にはフルート二重奏の曲ではなく、弦楽オーケストラと合奏するフルート協奏曲です。


ヴィヴァルディは、実はフルートの協奏曲を結構な数書いています。
リコーダーの協奏曲は音域的にフルートで全く問題なく演奏できますから、リコーダーの協奏曲を合わせるとさらに数があります。




第 1 楽章から第 3 楽章まで、ずっと聴き応えがありますが、第 1 楽章が一番好みです。

2 つのフルートの掛け合いがたまりません。


この曲はちょうど 1 年前にしばらく聴いていた曲なのですが、今改めて聞き直してみるとたまらない曲なのです。
フルートソロ曲以外は全く興味がなかったのですが、改めて聞き直してみるのもよいものですね。

この曲は将来自分でも演奏したいと思っています。


私が聴いているのは、Musica ad Rhenum の盤で、この CD には前に紹介した室内協奏曲 RV.107 も収録されています。
(YouTube の音源は、どうもこの CD と同じようです)

Concerto Alla RusticaConcerto Alla Rustica
アーティスト:Vivaldi
販売元:Challenge Classics
発売日:2003-06-03
クチコミを見る


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ヴィヴァルディのもう一つのフルート協奏曲

去年の夏頃にエントリーを書いた、ヴィヴァルディの室内協奏曲 (RV107) は、どうやら演奏者によっては「フルート協奏曲」として録音している場合もあるようです。

なるほど、なかなか見つからないはずです。
フルート、オーボエ、ヴァイオリン、ファゴットでの演奏例が多いようです。


なんとなく調べていると、IMSLP に何と自筆譜(?)の写しが出ていました。

Concerto for Violin, Flute, Oboe, Bassoon and Continuo in G minor, RV 107

この楽譜を見る限りでは、楽器の指定がされているようです。

フルート協奏曲として考えると、今後取り組む曲として考えることに躊躇する必要はなくなりますね。

妻がヴァイオリンをやっているので、これは将来一緒にやってみたいものです。

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ヴィヴァルディの室内協奏曲

また痺れる曲を見つけてしまいました。



ヴィヴァルディの室内協奏曲ト短調 RV107 というそうです。

NAXOS で最初に見つけたとき、フルートとヴァイオリンが交代で旋律を奏でるさまがあまりに美しく、気が付くと何度も繰り返し聴くようになっていました。
NAXOS では、フルート協奏曲「夜」RV104という全然違う曲名になっていて、おかしいと思いながら探してようやく見つけました。RV104は、以前発表会でやったRV439の前身の曲なので、どのように聴いても違う曲だということが分かります。

フルートとヴァイオリン2本、チェロ、通奏低音の構成が多いようですが、録音によって違うので、どうやら楽器の指定はないみたいです。


特に第3楽章がすばらしいです。

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12人のヴァイオリニスト「四季」を聴く

先月、高嶋ちさ子プロデュースの12人のヴァイオリニスト:ヴィヴァルディ「四季」を購入しました。


弦楽オーケストラとソロヴァイオリンによる協奏曲を、ヴァイオリンとピアノだけで行う演奏は何とも興味深いですね。


普段よく聴いている「夏」と「冬」を中心に少し感想。どの曲も、やや速めのテンポでの演奏です。


春。ヴァイオリンだけということもあって、全体的に音はかなり明るめです。でもそれが「春」でしょう。

夏は、特にテンポが速いです。第1楽章は、聴いたことがないくらい速いです。


冬、第1楽章の最後のTuttiを、どうもヴァイオリン全員で弾いていないように聞こえます。
低音部をピアノが担当しているのですが、ピアノの音が小さいのか、ヴァイオリンの数に負けているのか、Tuttiの時には高音部ばかりよく聞こえます。

ヴァイオリンソロの表現のつけ方はかなり好みで、聞いていて心地よいです。

「ヴァイオリンだけ」ということで低音部が弱くなるのは確かにそうですが、他の「四季」の録音と比べると気になるだけで、低音部もしっかり聞こえます。チェロがないとつまらないと切り捨てるのはNGでしょう。

ヴィヴァルディの協奏曲はソロからTuttiに切り替わるところがとても気持ちいいので、この部分で合奏がよく聞こえていれば完璧だったかなといった具合。


ピアノと高音域の楽器だけでこの曲を演奏したときのイメージが分かり、参考にもなりました。



ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」
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そして先週、山野楽器での購入得点で、このCDのミニコンサートを聴きに行きました。

生で聴くとまたよさが違いましたが、やはりピアノの音が小さめで、ヴァイオリンの合奏がピークになっているときはほとんど聞こえません。


「夏」は力強く、迫力のある演奏でした。

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