こんにちは。


久しぶりにブログを書きます。
これまた久しぶりにコメントを頂いたので、気分が上がってしまいました。 

この週末がちょうど発表会で、新たに刺激を受けました。


先日、ブログで新たな楽器を入手したという話をしました。

実はとんでもない楽器でレッスンを受けていたりします

感覚論に頼らないために

しばらく温めていたのですが、もういいだろうということで、ついに話すことにします。


2008年頃からその存在を知って、ずっと気になっていたものです。
私が楽器そのものへの興味を失った大きな原因の一つでもありました(笑)。

当時から、そのフルートは喉から手が出るほど欲しいと思うものでしたが、運良く見つけても即購入できるような状況ではありませんでした。

パールの楽器よりもToccoのフルートを鳴らしている方が楽しかったので、しばらくはもうそれで満足していたんです。


ところが、それは突然やってきました。



こういうことがあるものなんですね。
ある日、ヤフオクのアラート通知メールが飛んできました。

開けてびっくり、なんと何年も前に自分で設定して忘れていたアラート設定キーワードに該当する商品が出品されていました。


私は、これをほとんど即落札しました。
誰も欲しがらないそうです(笑)

これです。

IMG_0507
ケノン(couesnon)の総洋銀製フルートです。
キーの補助板で分かるとおり、いわゆる「モイーズモデル」というやつです。

思い始めて7年後にようやく手に入れることができました。


詳しいことは分かりませんが、現在市場に出ているモイーズモデルが量産品であるのに対して、この楽器はその試作楽器らしく、シリアルナンバーもなければ、「M.Moyse」や「CONSERVATOIRES」の刻印もありません。

あるのは、「COUESNON PARIS」のロゴだけです。
シリアルナンバーではなく、楽器のデザインには全く見えない部分に試作番号らしきものが、頭部管、胴部管、足部管にそれぞれ手彫りで刻印があります。

楽器についての詳しい情報は、また改めて紹介しようかと思います。


まず、異常なくらいに重いです。
Toccoと比べてはいけませんが、頭部管銀のパールの楽器と比べても、明らかに分かる重量の違いがあります。

形状よりも、真っ先に分かる特徴はこれです。
というくらいに重いんです。

人に持ってもらっても、まず最初に「重っ」と言われます(笑)。



3月にこれを入手して、今までずっとこれを吹いています。
 
理屈じゃなくて、これを吹いているのが楽しいんです。
昔、Sonoreさんに洋銀のフルートの面白さを随分聞いて、そのときは理解しているつもりでした。

繊細な表現力があるというのは、分かっているつもりでした。

ただ、今回これを実際に使ってみて、肌身でそれがよく分かりました。


音は、くだらない音しか出ません。

まあ至極普通のありきたりな音しか出ません。

普通に吹いていたら。


これは、ケノンの楽器に限った話ではなく、おそらくこの時代のどのフルートもほぼ同じなんだろうなと思います。
現代の楽器の吹き方で息を入れていると、音は出ますが鳴りません。

私の感覚だと、息を絞れば絞るほど音が出ます。
送る息の量を絞れば絞るほど、鳴るようになります。

そしてその鳴る音が、どこかで聞いたような音なんです(笑)。


現代のフルートでも、息の入れすぎがよく問題になっていますが、この楽器は「息の入れすぎ」とかいうレベルではない気がします。
そのくらい絞っても鳴ります。

まだ正確にこの音を出せないので、しばらくは慣れる必要がありそうです。

楽器としての性能はどうなのか分かりませんが、少なくともこれで練習しているだけでかなり勉強にはなるというのは間違いなく言えます。


今後しばらくこの楽器の話を織り交ぜるかもしれません。



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