面白い記事を見つけたので。記事の主旨とは違うところで思うことがありました。
Grit をもっている人にありがちなもう一つの特徴は、「一つのことに集中する」という特質だということが記事では挙げられています。
たとえばピアノを学んでいる子供がいたとして、音楽的才能が同じくらいとした場合に、ピアノだけに集中し、ピアノの演奏に必要な経験と失敗の蓄積だけをためている子供と、チェロやサックスにも手を出している子供では、当然前者の子供の方が成長が速くなります。
私も以前、フルートを続けながら、別の楽器(たとえばピアノとか、チェロとか)に手を出してみたいと考えたことがあります。
中でもピアノは、器楽奏者の場合、弾けたほうがよいというより、ある程度弾ける必要があると聞きます。少なくとも鍵盤が読めるかどうかでレッスンの進みはかなり違う気がします。(私はまったく弾けません)
誘惑には駆られたものの、本命のフルートの演奏もままならない状態で他の楽器に手を出すのは難しく、踏みとどまりました。
プログラミングの世界では、複数の言語が使える人はたくさんいます。むしろ1つの言語しか使えない人の方が少ないくらいです。
しかし、その複数の言語を、それぞれのパフォーマンスを最大に出せるほどに使いこなせる人がどれくらいいるのかは大いに疑問です。
私は Java を自分のメインストリームの言語に据えています。他の言語でも仕事をしていますが、 Java と同程度のパフォーマンスが出せるほどの自信はありません。
その言語には、その言語を極めたプロがいるのです。
これと同じことが、楽器にも言えるのではないかと思っています。
音楽を演奏するための道具に過ぎないフルートにも、長い歴史の中で構築された奏法があり、それはそう簡単に習得できるものではないはずです。大人になってから楽器の練習を始めた人は、ただでさえ練習時間がないのです。他の楽器の練習に時間を割くことは本当に有効でしょうか。
他の楽器を並行して練習することは、初期のフルートの上達に間接的に貢献することがあるかもしれませんが、目標とする到達点への近道には到底なりえないのではないかと思っています。
というわけで、複数の楽器を同時に練習するのは、最近では娯楽にしか見えないのです。
他の楽器に興味を示しているヒマがあったら、フルートの奏法を考えることに時間を費やした方がよいのではないでしょうか。
フルート関連のブログ
日本の音楽大学では、入学に器楽奏者にもピアノの試験を行うようですが、この意味が良くわかりません。多くの学生が器楽を学び、そのうちその楽器で名を成すのはごくごくわずかだから、その後の人生設計を考えるとピアノを少しでも弾けることは必要だということはないとは言えませんが・・・。
しかし、このことでその専門の楽器に類稀な才能を持った人材を受け入れて育てるチャンスを失っているかもしれませんね。
もっとも、そういう人材をしっかりと育てられる環境や指導者がそこにはいない可能性も大きいわけですが・・・。