フルートレッスン戦争記 第二幕 - 遊びで終わらせないための実践技術

なぜ私たちは、なかなかフルートの演奏技術が上達しないのか。うまくいかないのは練習方法にあるのか、それともレッスンにあるのか。その謎を解き明かしていきます。

頭部管が真っ赤に染まりました・・・

昨日の記事で、「頭部管を変えて試すことがある」と言いました。

最近は、その楽器のものではない頭部管を使って練習したりしています。
というのも、仕入れた楽器の頭部管が特殊なのか、なかなか慣れないんです。

昔は「ポイントを探る」という感覚でいましたが、それも違います。
歌口のある角度にあるスピードで吹き込むといい音が出る、とかいう感覚じゃありません。


気が付くと吹き込みすぎているようで、 もっと楽に、もっと柔らかくアプローチしないとその音にならないんです。


あまりに練習しすぎたせいか、なんとこんなことになってしまいました。


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頭部管が鮮血にまみれた・・・


わけではありません。

ごめんなさい、ウソです。


どうですか、これ。よくないですか(笑)

Amazonで偶然見つけて、ポチッてしまいました。

決して自分でこれを探し求めたわけではありません。Amazonが私に勧めてきたのです。


真っ赤なフルートです。
真鍮にカラーリングが施してある安物フルートです。

胴部管も足部管もあるのですが、全然使い物になりませんでした。
かなり神経質にキーを押さえないとちゃんと発音されません。

私はフルートのレッスンを受ける前にも一度この手のフルートを買ったことがあります。
レッスンを始めたころは、この手のフルートでもそう大きな違いは判らなかったんですが、今だとさすがにこれは判ります。


でも、頭部管は別です。

これでも結構ちゃんと鳴ります。
接合は完全ではありませんが、最近仕入れた「ある楽器」の頭部管の代わりとしても使えるので、時々これで試しているんです。


これが、まあ音が出るんです。
はっきり、くっきり。

出やすいんでしょうね。
この頭部管で曲を演奏すると、それまでおぼつかなかった箇所が結構スムーズに演奏できます。


これはどういうことかと言うと、指の運びの良さは、音と連動しているということです。
出している音を無意識に認識しながらキーを押さえているので、納得のいかない音だと指の正確さにも影響が出るわけです。


音だけ良くて指がもつれるということはそうありません。
指がもつれているときは、音も最悪です(笑)

あなたも経験があるんじゃないでしょうか。


この血塗られた頭部管を使って演奏すると、音はまあそれなりですが、見た目には相当にインパクトがあります。
ある意味、Toccoで演奏するよりもインパクトがありますね。 
 

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タファネル&ゴーベールの間違った使い方

新しく仕入れた楽器が、色んな意味でなかなか慣れないので、久しぶりに「タファネル&ゴーベールの日課練習」を使いました。

最近はめっきりこれを開いていませんでした。

実は過去にもブログでこれについて書いたことがあります。

タファネル・ゴーベールの日課練習について


この教材は、「指練習」のためのものだと思っている人がかなりいます。
指の運動性を高めるための教材だと思われているわけです。

実際私も指回りをよくするためのものとして紹介されました。
もちろん、先生がそういう認識だけで勧めてくれたわけではないのでしょうが、 私はそういうものなのだろうと思ってしばらく使っていました。


あなたはどうでしょうか。
「タファネル&ゴーベール」と聞くと、瞬間的に指の練習の教材みたいなイメージが出てきませんか。


これが苦行練習なんですよね(笑)
色んな人に聞いても、辛い練習だと言います。

ネットのブログを見ていても、そういう意見が多いです。

メトロノームをつけて、この練習課題の内容をテンポを上げながらやっていく・・・
これが苦行にならないはずがありません。

使い方を間違っているのです。



私はこの「タファネル&ゴーベールの日課練習」を、はるか昔に買いました。

でも今見ても新品に近い状態です。

どれだけ使っていないかがバレてしまいそうです。


何回も挫折しました。

途中でやめたくなるんです。続かないんです。


この教材は、指回りをよくするための練習教材では決してありません。

では、何の教材なのか。


音作りのための教材です。
少なくとも、前半はすべてそうです。

フルートという楽器は、指の動きと音の良さが想像以上に連動しています。


今は遊びで頭部管を変えて試すことがよくあるのですが、胴部管は全く同じものを使っているのに、頭部管の発音が違うだけで指の連動は随分変わります。

手だけが機械的に動く人であればこんなことにはならないのかもしれませんが、残念ながらほとんどの人は脳の意識と手の動きは連動しているので、どうやっても音色と指は相互に影響を受けます。


単音でだけ、ただ伸ばして美しい音色を出せたところで、それは何の役に立たないんですよね。


この「タファネル&ゴーベールの日課練習」を、指の練習だと思ってやっていたら、そのうち本当に手だけが独立して動く曲芸師みたいになってしまいそうです。

この練習課題は、ただ早く動かせるようにするための練習ではなく、「常に美しい音で演奏できるようにする」ための練習です。


昔はこれを苦行練習だと思っていましたが、練習の意図を理解してやっているうちに、やっているそばから音色の美しさが分かるようになるので、こんな実践的な練習は他にはないと思えてしまいます。

ちなみに私は、この練習をするのにメトロノームは要らないんじゃないかと思い始めています。
なぜなら、メトロノームのテンポに入れることをめがけて練習すると、注意がそちらに向くことでストレスになるからです。


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大人と子供で決定的に違う、効果的な練習の仕方

大人になってから趣味で音楽を始めて、なかなか思うように上達しないという人は多いです。

ほかでもない私もそうでした(笑)
とにかく悩みまくりました。

散々試行錯誤もしました。

色々やっている中で、同じように年齢の人がうまく演奏しているのを見ると、焦るわけです。
どうやったって焦ります。

これは、子供のころ、または学生時代に音楽を多少なりともかじっていた人にはなかなか分からない感覚です。


おそらくうまく上達しない最大の理由は、「練習」にあります。
教則本を見ていても、「練習」に関する内容は山のように出てきます。

楽器店に行っても、ムラマツの店に行って楽譜を漁ってみても、「〜のための練習」という本が大量に出てきます。


音階練習なんかもそうですよね。
教則本に載っている譜例や、エチュードの類も全部そうです。

全部「練習」と言えます。


これが面白いと感じられるうちはまだいいんです。
私も最初は面白いと思っていた時期がありました。

ただ、そのときは違う意味で楽しかっただけなんです。
練習すること、それ自体が新鮮だったんです。


あなたにも覚えがあるかもしれません。

楽器をやり始めると、とにかくそれを触ること自体が喜びになります。
触るのが面白いわけですから、それを使ってやることはすべて面白いわけです。
曲だろうが、音階練習だろうが、エチュードだろうが、何でも新鮮で面白かったんです。


ありますよね。

しかし残念ながら、そういう時期は長くは続きません。
新鮮さがなくなるというのも理由の一つですが、もっと大きな理由に、単純にハードルが上がり始めるというものがあります。

最初のうちは、練習内容自体のハードルが低いので、その練習自体を比較的簡単に消化することができ、かつその効果も実感できていました。
ようするに上達が実感しやすかったんです。

このときは面白いんですよね。
とにかくどんどん上達していく感じが楽しい。

こんなに楽しければ、もっとやろうということにもなります。


ところが、どんな教本でも、途中から当然ハードルが上がってきます。



それに取り組んでいる人が、全く気付かないようにハードルが上がっていて、気づいたころにはものすごいことができるようになっていた、という教本やレッスンがあれば理想ですが、残念ながらそんなものはこの世にはまだ存在しないようです(笑)

そんなものはないわけです。
つまり、楽器の演奏で言えば、どんな人でも途中から突然上がるハードルをクリアするために練習をこなしていく必要があるということになります。


この練習がまさに曲者なのです。

実はこのブログでも、私は練習は極力しないで上達したいということをずっと書いていました。
ところが気が付くと練習ばかりをするようになっていました。

これは罠ですね。

気が付いたら、無数の教本が手元にあるんです。
あ、いやもちろん自分で買ったんですよ。


でも、別に練習をするためにフルートをやり始めたわけじゃないんですよね。
それは間違いないはずなのに、気が付くと練習教材が大量にあります。

そして、いつも練習に明け暮れているんです。
そして、上達しないと嘆いているわけです。


こんなおかしな話はありません。

 
これは少し笑い話みたいに書いていますが、本当にまじめに考えてみる必要があると思います。
どうでしょうか、あなたももしかしたら似たような状況に陥っていたりしませんか(笑)


ちょっと長くなってきたので、この辺で一度切ります。
 

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感覚論に頼らないために

先日、ある楽器を入手したことを書きました。


実はとんでもない楽器でレッスンを受けていたりします

まだその楽器についての話はしません(笑)
したいのはやまやまなんですが、 まだ材料が足りないんです。

あまりにも今までのフルートと違うので、全然慣れません。

かれこれ1週間近くは触り続けていますが、面白いくらいに慣れません。
もうちょっとじっくり触って、慣れてからこの話をしようかと思います。


この楽器でずっと練習をしているわけですが、そこでふと思ったことがありました。
低音域がなかなか思った音にならないので、いろいろ試行錯誤していたのです。

よく考えてみると、この低音域の音を出す方法を理論的に考えたことがなかったのです。


どうやったら中音域と低音域の音が変わるのか。
運指は同じなわけです。

レッスンを受けていて、明確に説明を受けた記憶はありません。
いや、レッスンで習いましよ(笑)

習ったんですが、どうやったら低音が出るかというのは、聞いたことがないわけです。

感覚論での説明しか記憶がないんです。
下向きに吹くとか、息を遅くするとか、色々ありますよね。

でも同じ運指で本当に息の速度を遅くしたら、低音にはなりません。
かなり意識して速度を徐々に落としていっても、中音域のラが低音域のラになったりしないわけです。


「冷たい息」とか「温かい息」と表現する人もいますね。


こういう話を、明確に言語化することは実は大事なんじゃないかと思います。

言語で説明できれば、感覚論に頼らなくてもいいわけで、理解も早いですよね。


ここをこのブログで整理してみるのも面白そうです。
 

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プラスチック製フルート「Tocco」の魔力

そのうちブログに書こう、書こうと思っていたことがあります。


樹脂製フルートToccoについての話です。
「変わり種」といっていたフルートです。

もうこれは買ってから何年か経ってしまっているので目新しさはありません。
目新しさは全くないんですが、 数年に渡って使い続けている人間がこれについて書くことに意味があるということにしておきましょう。

「Tocco フルート」とか、「トッコ フルート」といったキーワードで検索して調べてみても、いまだにまともな記事が出てきません。 
見つかっても、ほとんどが楽器店の提灯記事だったり、 借り物や店頭試奏での「ちょっと吹いてみた」というような感想ばかりで、所有者による話が全くと言っていいほど見つかりません(笑)。


ということで、なんとこのフルートでしばらくレッスンを受け続けていた私が今さらながら紹介記事を書くことにします。



私はこの樹脂製(プラスチック製)フルートが出てから、かなり早い段階で購入することになりました。頭部管に書かれているシリアルだと、162番です。
何本売る気なのか知りませんが、並んでいる0の数がメチャクチャ多いです。

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私が持っているのは初期型で、現在はもう一つ新しいものが出ています。
この初期型は頭部管と胴部管のみが分解でき、足部管は外れません。

見た目にも分かりそうですが、圧倒的に軽いです。
木管フルートと比較されがちですが、木管と同じような太さがあるにもかかわらず、木製のずっしり感は全くありません。

ちょっと触ってみた感じだと、本当におもちゃのように見えます。実際そう見られても仕方がないくらいの軽さなのです。


胴部管は木目調の模様がつけられていて、ざらざらしています。
質感も木管に似せているのかもしれません。

これに対して頭部管だけは光沢のある表現になっています。

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音は普通に出ます。
適当に吹くと、適当な音が出ます。 

そして、本気で吹くと、やはり適当な音が出ます。
音量が出ないんです。

というか、音量が出ないような気がするんです。


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パッドは、シリコン製らしく、湿気は全く気にする必要がありません。事実、私は一度もペーパーを挟んだことがありませんし、もちろん交換したこともありません。
交換は実際難しそうですね。パッド交換できるかどうかは、買うときに聞きませんでした。

しかし2年以上普通にそこそこの頻度で使い続けても何ともないので、パッドの寿命=楽器の寿命でもいいのかもしれません。



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キーはインライン配列で、左手のキーにだけモイーズのゲテモノ楽器のような補助キーがついています。
見た目にはこれが結構特徴的ですね。

しかしこの補助キーだけ完全な平面になっていて、なぜくぼみをつけなかったのかは疑問です。
平面だから押さえづらいということはありませんよ。


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このフルートで唯一操作が難しいのが、ブリチャルディキーです。
何かあんまり「押さえた感」がなく、かなり慣れないと難しいような気がします。

これ以外にも、Aisレバーなどのいくつかの「あまり使わないキー」は、金属製のそれと比べて「押さえた感」があんまりない気がします。
管の材質自体は特に問題だと思ったことはないのですが、キーワークはちょっと信頼性に欠けると感じる部分があるような気がしないでもありません(笑)。


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トーンホールは、木管フルートもそうなのかもしれませんが、管体からの高さがほとんどありません。
キーを押さえると、キーが管体にめり込むような感じになります。

だから何だと言われたらそれまでなんですが、管体は金属製のものよりおそらく太いのに押さえている感覚はほとんど変わりません。
以前木管フルートを試奏したときは随分大きい感じがしましたが、そういうのもほとんどありません。


カバードキーですが、主要なキーはキーカップの黒い部分を押さえることになっていて、自然とその部分以外は触らなくなります。

写真では分かりづらいかもしれませんが、このくぼみが意外と深いので、指が細い人は多分この黒い部分に指がしっかりハマります。
私もこれにぴったりハマるので、妙なフィット感があります。



さて、肝心の音色ですが、「トラベルソみたいな音がする」という人がいます。

ウソはいけません(笑)


私はこれで金属製の楽器のフルートアンサンブルにも参加していたりしますが、全然違和感がありません。

確かに、ちょっと吹いてみるだけだと、あまり音量も出ないので、軽く明るいような音がする気はします。


普通に吹き込んでいると、そういう音しかしません。
でもそれって、このフルートに限ったことじゃないと思うんですよね。

私もこのToccoを吹いていて、調子が悪いときはそういう音になります。
いくら吹き込んでも、送っている息の半分くらいが消し飛んだような薄っぺらい音しか出ません。
そうなるとさらに焦りが出て、どんどん薄くなっていきます。


息を絞り込んで吹き込むと、角度によっては実に面白い音が出ます。

これは、総銀製とかのフルートをちょっと吹いて「ああ、これめっちゃよく鳴るなぁ」と感じるのとは、対極にある感覚です。

要するに、吹けば吹くほど音量が出るようなタイプの楽器ではないということです。
吹き込んで音になるポイントが多分狭いんです。

国産の金属製フルートを吹くときのような演奏方法でアプローチしていると、このフルートはそれなりの音にしかならないんですね。


こんな面白い楽器はなかなかないと思います。
安いですしね。

フルートを始める人が最初に買う楽器としては勧められないかもしれませんが、ただよく鳴る楽器よりは音色感覚を鍛えるという意味でありだと思います。
少なくとも、楽器としての作りはしっかりしているので、これで5年くらいはいけそうな気がします。

低音域にいたっては、金属製のフルートと同じように吹いていると絶望的なくらいに音が出ません。
私はこれで随分低音域が鍛えられました。

息を入れすぎると全くダメですね。
フルートを演奏するとき、吹き込む息の量が問題になることを教えてもらえます。
 

しかしまあ一番の魅力は、この風貌で金属製の楽器を鳴らしたときの音とほとんど変わらないような音が出せることでしょうかね。
見た目にインパクトがあるので、驚いてもらうこと自体が面白いのです。

このフルートでまともな音が出せるようになったら、普通の楽器でも相当な音が出せるようになります。
 

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