フルートレッスン戦争記 第二幕 - 遊びで終わらせないための実践技術

なぜ私たちは、なかなかフルートの演奏技術が上達しないのか。うまくいかないのは練習方法にあるのか、それともレッスンにあるのか。その謎を解き明かしていきます。

口の中を開けるという言葉の正体

こんばんは。

実は最近は教則本や資料の類を全然読んでいないので、話のネタがあまりありません。
もうちょっとバンバン更新したいんですけどね。

資料集め自体はずっとやっているので、未消化の資料がどんどん溜まっていっています・・・


ああ、そういえば、何とこのブログ、「フルート ブログ」で検索したら、Googleで4位になっていました。
上位3位は全部ランキングサイトなので、フルートのブログを単純に検索した場合、一発目に来ることになります。

一発目に来る割には、そこまでアクセスがあるわけではありません。
最終的にこのブログも月間100万PVくらいまで引き上げてみたいですね。

そうしたらどういう世界になるのか・・・


私は、ほとんど毎日に近い頻度で、朝にフルートの練習時間を作っています。
自分のオフィスで誰もいない時間帯に吹いているんですが、窓の外を見る限りでは、誰も気づいていません。

まだ、窓の外にまで届くような音にはなっていないということですね。

窓の外に届くようになってしまったら、それはそれで練習環境がなくなってしまうので困るのですが、当面その心配はなさそうです。


ここでケノンをずっと吹き続けているわけですが、求める音色になるのは、なぜかいつも練習を終える直前です。

稀に序盤から求める音になっていることがあるにはあります。でも本当に稀です。
これが少々ストレスの元なんです。


そして気がつくと、結構息を入れているんですね。

焦れば焦るほど、余計なことをしてしまうようです。


これは本当にウォーミングアップをしないと鳴らせない体質なのかと思い始めてきましたが、今日いつもと同じように練習していて新たに気づいたことがあります。

やはり今日も、練習時間の終わり頃になってから、ようやく鳴り始めました。
誤解してほしくないのですが、フルート自体はいくらでも鳴ります。

私がこの楽器で欲しいのは、木管楽器の音なんです。
普通はこれを不断の練習の末に感覚を得て自分のものにするところまで持っていくだと思いますが、まだそこまでの練習量をこなしていないのです。

あるポイントを捉えて条件が揃っているときにだけ、妙な音が鳴るんです。
これが楽しい。


ただ鳴らすだけならいくらでも鳴りますが、相変わらず味のしない音しか出ませんから、どうにかこうにか試行錯誤しながら、毎回その感覚を探ります。

今回の練習中に、ふと思い出したことがあります。
意図している音が出ているときは、吹いている感覚ではないということです。

息をどこに、どのくらい、どう吹き込む、などということをいちいち考えていないのです。
全く考えていないわけではありませんが、そのときはただ気持ちがいいので、そういう細かいことは考えていません。

鳴っている音とイメージしている音の一致を楽しんでいるような感覚です。


ケノンで練習していてもう一つ分かるのは、口の中の空間をかなり開けないとまともな音で鳴らないことです。
私は口腔内が小さいからか、考え得る限界まで広げています。


これは昔からよく聞いていた話でした。

「口の中を開ける」

よーく聞きますね。
私もこれは、何人にも言われましたし、本やブログに書いてあったのを読んだ覚えもあります。

自分でもその重要性は分かっているつもりでしたが、本当に大きく開けないと音色にならない楽器でようやく感覚が分かったような感じです。
これって歌っているときと同じなんですよね。

 
ここまで来ると、「歌(声楽)が有効」という話にも合点がいきます。

楽器を持たずにやる練習として、日頃から口の中に空間を作る訓練をするのは結構いいかもしれません。(私はまだやっていませんが)


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ケノンの楽器を手にしたらどう反応するのか

こんにちは。


先日発表会に出たという話をしました。
実はそこで、S氏と話し込むことができました。

S氏というのは、去年この記事で話題にした人です。

立てた目標を達成できない本当の理由

今も同じ教室に通っているらしいのですが、実は現場ではほとんど会ったことがありません。
活動できる日や時間帯が違うのでしょう。全然会わないんです。


彼も発表会には毎回出ているのですが、私が発表会では身動きが取れないことが多く、なかなか話しに行けませんでした。
今回、久しぶりにS氏と話をしました。


もちろん話題はケノンです(笑)。
どういう反応をしてくれるのか、ものすごく楽しみでした。


ちなみに今までにこの楽器を何人かに見せていますが、反応は全部同じでした。
別に試しているわけではなく、こちらもその反応を期待しているわけです。

同じ反応というのは、驚いて笑うことです。

みんな同じ反応をしてくれます。


まず楽器そのものが重いことと、見慣れない形状。
私はキーの補助板とか、見て一瞬で分かる違いに気づいて驚くものだと思っていましたが、結構多いのが、ブリチャルディキーの左側に妙なキーが鎮座していることに気づくことです。

IMG_0510

これです。Cisトリルキーというのだそうです。


楽器を入手した直後、楽器店の管楽器リペアの方に見てもらいました。

そのときも驚かれましたが、一番最初に目についたのはこれでした。この部分は、明らかに普通のフルートと違います。


発表会ではS氏はまだ出番前でした。
休憩時間になったので、食事中の彼に楽器を見せることにしました。

モイーズモデルの存在自体は知っていましたが、どこのメーカーの楽器なのかはよく知らないようでした。
ちょっと話のネタにしようと思っていたら、「吹いていい?」と言うので吹いてもらうことに。やはり真っ先に先ほどのトーンホールに気づきました。


休憩時間中のホールで、誰に構うことなく曲を吹き始め、止まりません(笑)
Aisレバーで開閉するこのトーンホールで鳴らすトリルの方が音程がよく、ここに空いていることに意味があると言いながら、残りの休憩時間の十数分、ずっと吹き続けました。

やっぱり吹いていて面白かったんですかね。


指が動かしやすいというので、キーの位置や高さの話をしたら、ようやくそれに気づいたような感じでした。補助板はともかく、右手のキーは言われないと気づかないかもしれません。


久しぶりに話し込みました。


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知らず知らずのうちにやってしまう悪い癖

いまだに馴染めないこのlivedoorブログの管理画面と格闘しながら今日も行きます。


これがもうちょっと使いやすかったら更新頻度も上がるのに・・・(笑)。
こういうことを言うと、本当に管理画面が使いやすくなったら、また違う「書かない理由」ができそうです。 
 

先日こちらの記事で、ケノンの楽器に試作番号とおぼしき番号の刻印が頭部管、胴部管、足部管にそれぞれあると言いましたが、ごめんなさい、頭部管にはありませんでした。
胴部管と足部管だけです。

ケノンのフルートを入手しました!

厳密に言うと、Esキーの裏側にも同じ番号の刻印があります。
このキーの裏側の刻印は、本体の刻印と違って随分適当な仕上がりです。


この楽器にも大分慣れてきました。
昔と比べて圧倒的に練習時間が増えたことも手伝っています。

ゲテモノでも何でもいいんですよ。
Toccoだって十分ゲテモノみたいなものですしね。


練習中は大して気にならないのですが、録音を聞き返したりすると異様に気になることが出てきます。
実際に吹いているときは、とにかく吹いていること自体が面白いので、気にならないんです。

曲を演奏しているときなどは、気持ちよくなっている場合もあって、こうなるとさらに分かりません。


異様に気になること。
それは、音の発生がランダムだということです。

全体を通してみると、音色は決して悪くありません。
むしろかなりよく通るようになっていきます。

通るようになっていくのがポイントです。


最初から通らないんです。

これは、「音の鳴り損ない」が多いことからも分かります。
発表会などで他人の演奏を聴いていても、やはり同じような特徴があります。


このブログでも過去に何度かこの手の話をした記憶があります。

「音の鳴り損ない」問題は、音の最初から同じ音質で通すことを意識していないことと、「吹いてみないと分からない症候群」の両方が原因になっています。

これは自信がない音域ではより顕著に出ますね。


私の場合、低音域は特にこれがよく分かります。


無意識に軌道修正をやってしまっているようです。
出だしで死んでしまっている音をどうにかして持ち直させても、生きた音にはなりません。
吹いているときは気持ちいいので、良いように聞こえるんです。

吹いてみて出たとこ勝負みたいな感覚になっていると、なかなかこの癖が抜けません。
ケノンにも慣れてきたので、そろそろこれをはっきり矯正していく必要がありそうです。


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ケノンのモイーズモデル初期型

こんにちは。


昨日こちらの記事でお話ししたとおり、実は今、ケノンの洋銀フルートを入手して、ずっとこれを吹き続けています。

ケノンのフルートを入手しました!

今手元にあるこのフルートは、「モイーズモデル」と呼ばれるフルートの初期型のようです。
モイーズモデルは、モイーズが設計して作らせたという総洋銀製の人間工学に基づいた(?)新しいフルートです。

私はこれの存在を知ってから、それまで持っていた楽器そのものへの興味がほぼ完全になくなってしまいました。

何よりモイーズモデルというのは、量産型だというのがいいですよね。

ルイロットやハンミッヒなどのヴィンテージフルートに比べると、結構な数が作られていて、その楽器自体に特殊な性能があるわけではないというところが面白いです。
市場に出てきても、大した値段がついていません(笑)

ところが、調べてもなかなか情報が出てこないんですよね。
レアなのかレアじゃないのかよく分からない。


おまけにケノンとかいうフルートメーカーがあったことを知らない人の方が多分多いので、楽器店に言っても話が通じなかったりします。


偶然なのか何なのか、私が手にしているのは、モイーズモデルの特徴を持ちながら、いくつか気になる点があります。

もしかするとケノンの楽器をコピーしただけの「バッタモン」の可能性もありますが、私がこれまで見てきた市場に出回っているモイーズモデルと比較しても、ほぼ同じものであることは間違いありません。
そして吹いてみてそれはよく分かりました。


量産する前の試作楽器だったというエピソードが本当なのかどうかは分かりません。

IMG_0696
なんと、「COUESNON PARIS」ロゴが、横向きに刻印してあります。 
 これまで、モイーズモデルの写真はいくつも見てきましたが、こういうものは見たことがありません。

ちなみに、頭部管のロゴも横向きです。

IMG_0505

はい。もう分かりましたよね。

そうです。

実は足部管も同じなんです。

IMG_0519


全部、楽器に対して横向きのロゴが刻印されています。

 
もしかしたら本当に試作楽器なのかもしれないと思うところがいくつかあるにはあります。


それが、こちら。

IMG_0698

こういった妙なモノがポストの部分にはいくつか(というかかなりの数)露出しています。

最終的に切り取るモノなのかもしれません。

露出していても害がないので、気にはなりませんが、これまでに見てきた楽器にはほとんど見られません。


うーむ、バッタモンかなー。いやー、違うと思うんだけどなー(笑)
肝心の音は、前の記事でもお話ししたとおりで、普通に吹いていると普通の音しか出ません。

ところが、「息の柱」を絞れば絞るほど、これまた妙な音がするんです。

音から汁がしたたるような、極めて素朴な音がします。
これは近いうちに録音して公開する方が早いと思います。


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ケノンのフルートを入手しました!

こんにちは。


久しぶりにブログを書きます。
これまた久しぶりにコメントを頂いたので、気分が上がってしまいました。 

この週末がちょうど発表会で、新たに刺激を受けました。


先日、ブログで新たな楽器を入手したという話をしました。

実はとんでもない楽器でレッスンを受けていたりします

感覚論に頼らないために

しばらく温めていたのですが、もういいだろうということで、ついに話すことにします。


2008年頃からその存在を知って、ずっと気になっていたものです。
私が楽器そのものへの興味を失った大きな原因の一つでもありました(笑)。

当時から、そのフルートは喉から手が出るほど欲しいと思うものでしたが、運良く見つけても即購入できるような状況ではありませんでした。

パールの楽器よりもToccoのフルートを鳴らしている方が楽しかったので、しばらくはもうそれで満足していたんです。


ところが、それは突然やってきました。



こういうことがあるものなんですね。
ある日、ヤフオクのアラート通知メールが飛んできました。

開けてびっくり、なんと何年も前に自分で設定して忘れていたアラート設定キーワードに該当する商品が出品されていました。


私は、これをほとんど即落札しました。
誰も欲しがらないそうです(笑)

これです。

IMG_0507
ケノン(couesnon)の総洋銀製フルートです。
キーの補助板で分かるとおり、いわゆる「モイーズモデル」というやつです。

思い始めて7年後にようやく手に入れることができました。


詳しいことは分かりませんが、現在市場に出ているモイーズモデルが量産品であるのに対して、この楽器はその試作楽器らしく、シリアルナンバーもなければ、「M.Moyse」や「CONSERVATOIRES」の刻印もありません。

あるのは、「COUESNON PARIS」のロゴだけです。
シリアルナンバーではなく、楽器のデザインには全く見えない部分に試作番号らしきものが、頭部管、胴部管、足部管にそれぞれ手彫りで刻印があります。

楽器についての詳しい情報は、また改めて紹介しようかと思います。


まず、異常なくらいに重いです。
Toccoと比べてはいけませんが、頭部管銀のパールの楽器と比べても、明らかに分かる重量の違いがあります。

形状よりも、真っ先に分かる特徴はこれです。
というくらいに重いんです。

人に持ってもらっても、まず最初に「重っ」と言われます(笑)。



3月にこれを入手して、今までずっとこれを吹いています。
 
理屈じゃなくて、これを吹いているのが楽しいんです。
昔、Sonoreさんに洋銀のフルートの面白さを随分聞いて、そのときは理解しているつもりでした。

繊細な表現力があるというのは、分かっているつもりでした。

ただ、今回これを実際に使ってみて、肌身でそれがよく分かりました。


音は、くだらない音しか出ません。

まあ至極普通のありきたりな音しか出ません。

普通に吹いていたら。


これは、ケノンの楽器に限った話ではなく、おそらくこの時代のどのフルートもほぼ同じなんだろうなと思います。
現代の楽器の吹き方で息を入れていると、音は出ますが鳴りません。

私の感覚だと、息を絞れば絞るほど音が出ます。
送る息の量を絞れば絞るほど、鳴るようになります。

そしてその鳴る音が、どこかで聞いたような音なんです(笑)。


現代のフルートでも、息の入れすぎがよく問題になっていますが、この楽器は「息の入れすぎ」とかいうレベルではない気がします。
そのくらい絞っても鳴ります。

まだ正確にこの音を出せないので、しばらくは慣れる必要がありそうです。

楽器としての性能はどうなのか分かりませんが、少なくともこれで練習しているだけでかなり勉強にはなるというのは間違いなく言えます。


今後しばらくこの楽器の話を織り交ぜるかもしれません。


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